齊藤玖美子さん

学び/越境体験

原点は「楽しさ」。
楽しいからこそ人が集まり、前進する

インターネット上の仮想オフィス「ovice」の導入、社内のチャットボットの開発など、パーソルキャリアで次々と企画を打ち出しているテクノロジー推進グループに所属する齊藤玖美子。自身のキャリアオーナーシップを育むためのコツを尋ねたところ、「やらされる仕事を、楽しいからやりたい仕事に変えること」と話してくれた。

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齊藤玖美子 

テクノロジー本部 BITA統括部
テクノロジー企画部 テクノロジー推進グループ

「苦手なことを把握する」から始めた

裁量を持ってはたらきたいと、2018年に金融系のSEからパーソルキャリアに転職。しかし入社したてのころは「仕事はやらされるもの」というイメージがあり、「はたらいて、笑おう。」や「キャリアオーナーシップ」をどう実現するのかは分からなかったという。

それを変えた第一歩は「苦手なことを把握する」というシンプルなことだった。

齊藤: 「やりたいことを考える」と言われても意外と難しいですよね。でも、「苦手なことを把握する」なら、分かりやすい。そこで、まずは自分の苦手なことは何かを考え始めました。

性格診断や内省など、まずは自分と向き合う作業をしたという齊藤。だからこそ、自分の得意分野と不得意分野を言語化することができた。そして齊藤は、それを周りに伝えるようにしたのだ。

齊藤: 自分の得手不得手を上司や同僚に伝えるのは大事です。例えば私は、プレッシャーに対しての耐性やタフさがあまりないこと、疲れると仕事の質が下がるので残業が苦手であることを上司によく話しています。そこは、きっちり終われるように単純化できる作業は自動化して効率を上げたり、スケジュールを組んだりして調整します。一方で得意と伝えてある、さまざまな要素を組み合わせて新しい企画を考えることや人を巻き込んで進めていくことは、上司も同僚も積極的に任せてくれます。

そういったアプローチは、どの仕事にも共通だ。自分が苦手と感じることをどう変えるか、得意なことをどう活かすか、どう楽しくするかが原点になっていた。

例えば、仮想オフィス「ovice」導入のきっかけは、コロナ禍でリモートワークが主流となり、仕事の合間の雑談がなくなったことだった。気分転換ができず閉塞感があった齊藤は「言葉を交わす機会があれば楽しいのに」と、リモート時の環境改善をしたいと企画した。

齊藤: 私は人と話すのが好きで、雑談がないのが寂しかったのと、雑談から企画のアイデアが生まれることもあったんです。それを同僚に話すと「何げなく話すのって、意外と大事だったよね」と同じことを言われました。自分が感じる課題は、ほかの人にとっても同じことがあるんだなと実感しました。

季節ごとに背景が入れ替わる仮想オフィス。さまざまな部署の社員が出入りしている。
季節ごとに背景が入れ替わる仮想オフィス。さまざまな部署の社員が出入りしている。

齊藤の「楽しい」企画は、周りの共感を呼ぶものが多く、自然とプロジェクトに協力する社員が集まる。では、どのように「楽しい」を実現するかを尋ねると、そこには綿密な準備のプロセスがあった。

「楽しい」を共感できる企画とそのプロセス

課題を感じたときはまず「自問自答しまくる」という。具体的には、A3の紙やパソコンのホワイトボードツールを使い、考えていること、やりたいことを視覚化していく。すると「点と点がつながる感覚がある」と話してくれた。

案を書き出す

例えば、なぜ業務の合間の雑談が必要だと感じるのかを書き出す。すると気分転換になるだけでなく、新しい企画の起点や、部署や会社をまたいだコラボレーションのきっかけになったことも多いと気づく。逆をいえば、雑談が減ったことで新しい発想やいっしょにはたらく機会の損失につながっていたかもしれない。

自分の感じている課題の正体がはっきりしたら、今度は解決するために、会社のビジョン・ミッションや世の中の流れとひもづけて考える。

仮想オフィスの場合、課題は「組織内のコミュニケーション減少の解消」と「人と組織のコラボレーションの促進」と置いた。リモートワークが可能になった今、沖縄から北海道までの社員がコラボレーションするには、つながりを持てる仮想オフィスが担える役割があるかもしれない。仮想オフィス内でのコミュニケーションが「チームワーク」につながり、新規企画を生み出すきっかけとなる。社員がキャリアオーナーシップを発揮してミッション推進に向けて協力しながらはたらいていく、これは、「はたらいて、笑おう。」というグループビジョンの実現にもつながるかもしれない。

そういった思考のプロセスを経ることで、課題を解決する必要性がはっきりと自覚できるという。

齊藤: 自分が楽しいだけでなく「周囲にも必要なこと」と思えると、周りにも自信を持って発信できます。また、会社の目指すものとひもづけることで、ビジョン実現・ミッション推進の一助にもなります。

さらなるコツは「『楽しい』でラッピングすること」だという。

齊藤: つらい仕事はモチベーションが上がりにくいですよね。でも楽しそう、面白そうと感じることは進んでやりたくなります。仮想オフィス導入でいえば、「仮想オフィスという村で仲間が増え、誰かとつながることの楽しさ」がラッピング。すると、周りの人にも「楽しい」が広がっていくんですよ。

大事なのは「楽しさ重視マインド」。気分をキープする4つのコツ

齊藤: 自分が楽しいからやっている「楽しさ重視マインド」をいちばん大事にしています。要するに、会社や社会に必要なことだからといって使命感を感じすぎず、あくまで自分の軸を大事にして楽しさを忘れないことです。

インタビューで話す齊藤

その「楽しさ重視マインド」をキープするための具体的な方法が4つあるという。

①自分を褒める、仲間と褒め合う
②人と話す
③運動をする
④休息を取る

齊藤: 普通のことかもしれませんが、①は特に大事にしています。私は褒められて伸びるタイプなので、「よくやってるよ」「頑張ってるよ」と自分を褒めています。

同じ部署では同じ仕事が多いので、自分の仕事が特別とはいわれないですよね。でも他部署とのプロジェクトを組むと、お互いの仕事を褒め合うことが多いです。私がキャリアアドバイザーの仕事をすごいと思うのと同じように、ほかの部署からすると私の仕事も褒めてもらえるものなんだと実感できて、自己肯定感が上がります。

お互いの仕事をたたえ合って自己肯定感を上げれば、職場に明るい雰囲気が生まれることは容易に想像がつく。

齊藤: ②から④は本当にシンプルです。雑念や心配事が多すぎて無理だなと思ったら、人に話を聞いてもらいます。私は人と話すのが好きなので、会話で気分転換できるんですよ。

また、必ず週に1回は体を動かして、ストレスを発散しているという。しかし、本当に疲れたときは思い切って休息することが大事と話す。

齊藤: どうしてもつらいときは業務も切り上げて、自己肯定感が上がるようなエッセーを読んだり、ごろごろしたりとゆっくり過ごします。すると、仕事へのモチベーションも自然と上がってきます。

「楽しい」仕事だから、発揮されるキャリアオーナーシップ

齊藤にこれからの展望を尋ねたところ、「基本的には好きなこと、楽しいことを仕事にしていきたい」と、軽やかに答えが返ってきた。「楽しい」を軸にキャリアオーナーシップを体現する齊藤だが、それには会社の雰囲気も後押ししてくれているようだ。

齊藤: 社員のやりたいことを応援してくれるのはパーソルキャリアのいいところ。上司や同僚も応援してくれる雰囲気があります。だから「楽しいからやりたい」のハードルが低いのかもしれませんね。

また、やりたいことを伝えると賛同してプロジェクトに参加してくれる人も多いです。「楽しい」からこそいろんな人の力や才能が集まりやすく、コラボレーションして強さを発揮できていると思っています。こんなふうに、全社員がキャリアオーナーシップを育んで、笑って仕事していいコラボレーションが生まれたら「はたらいて、笑おう。」に一歩近づいた感じがします。

齊藤のはたらき方は、自分の「楽しい」が仕事の強みにつながる可能性があることを物語る。まずは齊藤の第一歩である「苦手なことを把握する」から始めてみれば、自分なりのキャリアオーナーシップが見つかるのかもしれない。

※掲載している内容・社員の所属は取材当時のものです。

編集:パーソルキャリア広報部 ライター:明知 真理子

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